『孫子』水からも兵法を学ぶことができる~老子「上善如水」と共通している

こんにちは、古神道と東洋思想、兵学の研究家ヒデです。

あらゆるものから学ぶことができますが、今回は水です。



「軍の形は水のようなものである。

水の流れは高い所を避けて低い所へ流れる。

軍の形も敵が備えをした所を避けて、隙のある所を攻撃する。

水は地形のままに従って流れを定めるが、軍も敵状に従って勝利を決する。

だから軍には決まった勢い・形というものがなく、水も同じである。

うまく敵状に従って変化して勝利を勝ち取ることができる…」(第六 虚実篇)

水は通りやすい低い所に集まって流れていきます。

水量が多くなれば濁流となって家屋・橋など大きいもの・重いものも押し流します。

また堤防の弱い部分を破壊し、そこから堤防内側に殺到して浸水被害を出します。

水にとって通りにくい高い所ではなく低い所を流れるからこそ、

速く流れて破壊力も増すのです。

つまり、その特性をつかみ、有利・得意・適切な場所・分野を選んで行動することで、

大きな成果を得ることができます。

最初から行動する範囲、行動や思考のパターンなどを決めて

固定してしまわないようにしなければなりません。

中国古典では、水を題材にした有名な一節があります。

『老子』の「上善は水の如し」です。

「上善」とは、最も理想的な生き方。

最も理想的な生き方は、水のあり方のような生き方ということです。

その理由は、

一つめ、水は入れる器に従って、柔軟に丸くなったり四角くなったりして、相手にあわせる。

二つめ、水は人が好まない低い位置へ低い位置へと流れていく。

三つめ、水はものすごいエネルギーを秘めて、洪水ともなれば、木や家も流してしまう。

このように水は、柔軟、控え目、パワーの3つの要素を備えています。

水のような生き方が出来れば、理想に近い生き方が出来るというのです。

一つめの柔軟さは、今回の孫子の一節と共通しています。

二つめの控えめは、人の生き方であるととらえると、

孫子は兵法書なので直接には関係しないことになりそうです。

しかし己の立ち位置・性質を分析し身の程以上のことはしない、目立たない、

着実に前進する、ととらえることもできます。

すると、「己を知る」「勝算があってはじめて戦う」「勝ちやすくする」

を説く孫子と共通しているでしょう。

三つめのパワーは、力を貯めて一気に発揮する「勢」の点で孫子と共通します。

つまり、孫子と老子は共通していると思います。

ただ孫子は兵法の視点、老子は人生の視点というように

見る方向が違うだけではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

妻・小林朋子のブログです。

夢をあきらめないというテーマで書いています。

https://ameblo.jp/doggytomoko/entry-12586080871.html



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