『孫子』真正面から向かっても負けたら何にもならない~騙し合いの真意

こんにちは、古神道と東洋思想、兵学の研究家ヒデです。

『孫子』はくどいくらいに、「負けない」ことを何度も力説します。



「兵とは詭道なり」(第一 計編)とあります。

詭道とは正常なやり方に反した、

相手の裏をかくしわざ、あるいは欺くこと、という意味です。

つまり、戦争は正常なやり方で行わないということです。

孫子はその後に具体例をあげています。

強くても敵には弱く見せ、勇敢でも敵には臆病に見せ、近くても敵には遠いと思わせる。

敵が利益を求めていればその利益をちらつかせて誘い出す。

敵が混乱していればその物・陣地を奪い取る。

敵が準備万端なら防御をしっかりする。

敵が強ければむやみに戦わず避ける。

敵が怒っていればかき乱してコントロールできなくする。

敵が謙虚でつつましくしているときはおごり高ぶらせる。

敵に気力体力が充実しているときは疲労させる。

敵が親しみ合って結束していれば、分裂させる。

戦争は、人的・経済的・物資的に損害を受け、第三国が介入してくる危険もあります。

真正面から戦争をすると、これらの損害・危険は極めて大きくなります。

詭道により、これらの損害・危険をなるべく少なくするのです。

犠牲を少なくするためと言ってもよいのかもしれません。

この「兵とは詭道なり」が孫子の重要な原則です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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