「神道は祓に始まり祓に終わる」という言葉があります。
「お祓い」として知っている人も多いでしょう。
神社での祈祷で、和紙のひらひらがついた棒~大幣(おおぬさ)を
振り回す修祓(しゅばつ)です。
祈祷など神様に思いを伝えるのに、
良くない思いなどの罪・穢(けが)れがついたままではいけないので、
それを取り除く行為です。
厄を取り払うときも行います。
やや儀式化されていますが、重要な神事です。
罪の語源は「つつみ」です。
怒りや悲しみなどの感情、あるいは欲望などで、
正常な判断ができなくなっていたり。
臆病さや過去の失敗、他人から言われたことで、
本来の自分の力を発揮できなかったり。
感情などで自分が包まれている状態を罪と言います。
穢れの語源は「氣枯れ(けがれ)」です。
「氣(パワー)が枯れる」で何となくわかると思いますが、
失敗による落ち込みや不幸や身体の不調などで、
自分のパワーが落ちている状態です。
これら罪・穢れを取り去るのが祓いです。
取り去ることで、
正常な判断ができるようになったり、本来の力を発揮できたり、
パワーがみなぎり元気になります。
祓うというと、怒りや悲しみなどのマイナスの感情や、お金の欲望、名誉欲、
失敗からの怖気付きなどを思い浮かべがちです。
しかし、
楽しさ・絶好調などのプラスの感情、成功体験も捨てるのです。
「失敗の原因は好調の時に生まれる」
「勝って兜の緒を締めよ」
などの言葉があります。
好調の時に、天狗になって周りの人に傲慢にふるまったり、
難しいこと・不得意なことに手を出したりします。
成功体験も「次も大丈夫だろう」と安易に手を出してしまいます。
だから、マイナス面だけでなくプラス面も祓うのです。
断捨離や「放てば満てり」という言葉もあります。
捨てることで新しいものが手に入ると。
●何年受験し続けた資格をあきらめて、別の仕事に就くと新たな活躍
●結婚相手に求める条件「あれもこれも」を捨てたら、
「結婚しなきゃ」を捨てたら、すんなり巡り合えた
●昔はこうだった/こうあるべき/これぐらいできないとな~
⇒ハードルが上がって行動できなくなる
●考えすぎるから、行動できない
武道でも無念無想という言葉があります。
「相手はこう来るのではないか」にこだわっていたら、
思いもよらない技をかけてきたら対処できません。
どんな技で来られても対処できるよう、
こだわりを捨てた状態が、無念無想です。
これも祓です。
嫌なこと・不安を考えてばかりだと、その積み重ねがあなたの人生になります。
嫌なこと・不安なことだらけの人生です。
嫌なことを引き寄せてもいます。
過去にとらわれてばかりだと、過去に引きずられた人生になります。
病を忘れて遊んでいたら旅行していたら完治していた、という例もあります。
祓うことは人生を大きく変えます。
成功者は余裕のある人たちといいます。
不快不安などから無になることです。
完璧にできなくても、そのようにふるまう…
不快不安から解放された状態になること、これも祓です。