【わかりやすい神道】知ってた?宗教・キリスト教とこれだけの違いをまとめた

こんにちは、古神道研究家のヒデです。

神道の神と、一神教(キリスト教やイスラム教)のゴッド・アラーとの違いをまとめました。

この記事の目次




1.教えかそうでないか

神道は、神や教祖が「こうしなさい」と教え(命令)しません。

神話などで神々の後姿を学び、それを生き方に活かす…これを「道」といいます。

一神教は、戒律たとえばモーセの十戒などで「こうしなさい」と教え(命令)ています。

「日曜日は働くな」「酒を飲むな」

「豚肉食べるな」「1日5回メッカの方角に礼拝しろ」など。

2.神は一人か大勢か

神道は、自然(自ら然り~存在するものすべて、natureではありません)に

神がいると考えるので、

山の神・海の神・木の神・火の神…自然を大事にします。

人も自然の一部と考えるので、人も神です。

明治神宮は明治天皇、松陰神社は吉田松陰公、東郷神社は東郷平八郎元帥など、

人も祭神として祀ります。

イエスキリストや釈迦も神として祀りことができますので、宗教の対立は起こりにくいです。

八百万の神とは以上のような意味です。

一神教は、ゴッド・アラーはただ一人で、ほかの神を認めません。

古代ギリシャ人・ローマ人やゲルマン人の多神教の神々も、

異教の神々として排除されました。

そのような信仰をしていると魔女狩りなどで火あぶりです。

イスラム教のタリバンなど過激派も、バーミヤンの仏教石像を破壊したように、

他の神・偶像を排除します。

3.神になれるか?

神道は、人も神になれます。

菅原道真公(天満宮・天神)、明治天皇(明治神宮)、徳川家康公(東照宮)、…

一般の人(?)も神として祀られます。

佐賀県肥前町高串地区の増田神社は、明治時代の増田敬太郎巡査を祀っています。

20代でこの地に赴任してきたときにコレラが蔓延し、

村人の看病やコレラ対策を伝え、亡くなった人を一人で埋葬しました。

増田巡査もコレラに感染し亡くなったのですが、パタリとコレラは消えました。

「増田巡査がコレラを連れ去ってくれた」と、村人は神として祀っているのです。

外国人も、神として祀ります。

埼玉県日高市の高麗神社は、総理や財界人が参拝した出世の神社として有名です。

ここの祭神は古代高句麗の王若光命を祀っています。

大陸の戦乱を避けて日本にわたって来た高句麗の人たちがこの地域に住みつき、

神社で自分たちの尊敬するリーダーを祀っています。

奈良駅そばの漢國(かんご)神社は、

まんじゅうを伝えた中国大陸の長江あたり出身の林浄因命を祀っています。

まんじゅうを伝えてくれたことに感謝して、まんじゅう祭りも開催しています。

これに対し一神教は、もちろん人はゴッドにはなれません。




4.神は災害を引き起こす?

神道では、神は恵みを下さるが災害(火山噴火・洪水など)も引き起こす怖い存在と見ます。

自然を注視し、災害が起きても被害が最小限になるよう対策し、

むしろ災害は起きるものと考えています。

神に感謝して祀って、災害を起こす怒りを鎮めてもらいます。

一神教では、ゴッドは愛にあふれた父なる存在と考えます。

災害は信仰が足りないことへの罰ととらえているようです。

5.神の言うことを聞かないと、どうなる?

神道では、そもそも神の教えというのがほとんど無いので、

聞かなくても罰はないし、来世に影響しません。

一神教では、罰を受けます。

ゴッドの教えを聞けば、最後の審判で天国・神の国に復活できます。

聞かなければ、永遠の破滅です。

ゴッドの教えに絶対服従を強いられます。

6.神に欠点はあるか?

神道では神話を読むと、神々は不完全で苦手もあり失敗もします。

神も反省して改善するし、相談や話し合いで決め、協調します。

自分は未熟だからと学ぼうとします。

自分以外は先生という考えで、外国文化を受け入れます。

神様ごとにご神徳があります。

天神さんは学問成就・合格、大国主命はご縁、八幡さんは勝利成功など。

これはその神様の得意分野です。

それ以外の分野はあまり得意ではないので、協力して得意な神様に任せるのです。

一神教では、ゴッドは全知全能なので失敗は無いし、常に正義で完璧です。

ゴッドの教えから外れているのは、悪・間違いとなります。




7.教祖や経典はある?

神道では、教祖はなく(天理教や大本教など教派神道は別ですが)、教えることもしません。

一人一人が自分で試行錯誤しながら気づくのです。

そもそも教え(命令)がないので、経典にあたるものもありません。

一応、古事記・日本書紀が神道の書物とされていますが、神話の書物です。

一神教では、イエスやムハンマドなどの教祖がいます。

指導者(ローマ教皇や聖職者・宣教師たち)が教えを説教します。

教えの書物も、聖書・コーランがあります。

8.善悪を決めるのは誰?

神道では、自然の理に従う考えです。

善悪は人がその価値観で判断しているだけ、他人を審判・批判する心を取り去ります。

一神教では、ゴッドが善悪を決めます。

聖書で「異教徒を滅ぼせ」とありますが、その通りにすることが善・正義です。

そのため宗教戦争が起きます。

9.祖先との関係

神道では、遠い祖先を神とします。

●皇室の祖先は天照大神

●藤原氏の祖先は春日大神

●源氏の祖先は八幡大神

それぞれの家で昔から祀っている神様は、その家の祖先の可能性が高いです。

稲荷大神(秦氏の系、苗字も「はた」で残っています~畠山さん、羽田さんなど)

天神(菅原氏の系)

宗像大神(福岡県在住の人)

ご先祖さんを通じて神とつながっているので、先祖崇拝・供養が大事なのです。

敬神崇祖といいます。

私たちは、縦軸(先祖)と横軸(一族・同郷)で結ばれています。

一神教では、個人がゴッドと契約(教えを守るという約束)を結びます。

先祖とはあまり強い結びつきになりにくいです。

○○家代々の墓はあまりありません。




10.自然の見方

神道では、初めに自然があってそのあとに神が生まれたとします。

自然に神がいるので、自然を大事にします。

だから神社に森やご神木があります。

山や岩をご神体とする神社があるのもそのためです。

自然・度植物に対する敬意~呼び方にも表れています。

たとえば、お山・お池・ワンコ・猫ちゃん・トンボさん・お花など、

愛情をもって呼びかけます。

一神教では、先にゴッドが存在し、万物の創造主です。

ゴッドが、宇宙や天地、動植物を作って、最後に自分に似せて人間を作ったとします。

人間に対し「産めよ増やせよ、大地を支配せよ」と言ってます。

だから人間は「エベレスト征服」や自然破壊など、自然を征服支配してきました。

11.人の立ち位置

神道では、私たちは神々の子孫とします。

神々と同じ血が流れている~

間違い・失敗を犯しても、良くなってくれるだろうと性善説です。

「神々の子孫として生まれて、おめでとう」

この世に生まれてきたことが幸せなのです。

天国や極楽浄土はどこか外にあるのではありません。

私たちは、ともにこの世を高天原という理想郷にするという使命を持つ神なのです。

一神教では、罪を犯したアダムとイブの子孫なので、原罪(カトリックでは)を負う罪人ととらえます。

「悪さをするのではないか」「信用できない」性悪説につながりがちです。

ゴッドを信じてこの世を去り、天国・神の国へ復活するのが目標とされます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。