『孫子』~当たり前だけど忘れがち~目的は何?何の成果が得られるの?

こんにちは、古神道と東洋思想と兵法の研究家、ヒデです。



「戦勝攻取してその功を修めざる者は凶なり。

なづけて費留という。」(第十二 火攻篇)

戦って勝ち、攻撃して奪取しながら、

その功績を整えないで無駄な戦争をするのは、良くないことで、

費留(無駄に軍費を使ってグズついている)と名付けるのである。

「骨折り損」ということです。

太平洋戦争開戦での真珠湾攻撃では、

戦艦などの主力艦を攻撃・撃沈などの成果を収めており、

米海軍太平洋艦隊の主力艦部隊をほぼ壊滅できました。

一時的にせよ米軍の戦闘力を削ぎ、

反撃を遅らせることができたことから、

成功したと言えるでしょう。

ただ、空母部隊はたまたま真珠湾におらず、

結果的に取り逃がしてしまいした。

また、ドッグ・石油施設を攻撃しておらず、

米軍の立ち直りを早めてしまいました。

さらに古い地図をもとに攻撃を行ったため、

軍事施設ではなく将校用娯楽施設を攻撃してしまったこともあったそうです。

調査・偵察が不徹底だったと言えるでしょう。

ハワイに上陸・占領し、ミッドウェイ島も攻撃しておけばよかったのでは?

と思います。

しかしマレー沖やフィリピンにも派遣しなければならず、

占領してもそれを維持するのが困難だったことから、

占領しなかったことは理解できます。

それなら完膚なきまでに破壊しつくすべきではなかったのではないかと思います。

取り逃がした空母部隊が戻っても補給も出来ないようにです。

半年後のミッドウェイ海戦では、

取り逃がした米軍空母部隊をおびき寄せるために

ミッドウェイを占領する作戦だったそうです。

山本五十六連合艦隊司令長官は、

米国民の戦意を喪失させ、有利な講和に持っていくことを考えていたそうです。

それなら真珠湾攻撃の時点で

ミッドウェイとハワイの占領を考慮に入れて作戦を立てるべきでしょう。

初戦でハワイ占領という圧倒的な力を見せつけることができれば、

「リメンバー・パールハーバー」という

米国民の強い怒りにまでならなかったかもしれません。

さらに遠路はるばるハワイ方面に、

半年後また機動部隊で攻撃に出かけるのは二度手間にも思えます。

…結果として、暗号を解読された日本海軍は待ち伏せに会い、敗北しました。

米国に必ず勝つという執念が薄かったために、

詰めが甘くなってしまったのかもしれません。

費留の一例です。

会社内のことを例にすると、

社員が朝から晩まで一生懸命仕事をしても、

売り上げが上がらず赤字なら、「骨折り損」です。

「がんばれ、がんばれ」ではいけないのです。

なぜ売り上げが上がらないのか、原因と改善法を考えます。

営業だとアポイントを取ることばかりに注目してしまい、

「わが社の商品を必要としているのか」見極めしていなかったり、

売り込みが強かったり、クロージングが弱かったり、…など。

アイデアが出なくても、とにかく今までと違うことをしてみれば、

何らかのヒントが得られるかもしれません。

売り上げをあげるのが目的のはずなのに、

その手段である「がんばり」が目的になってしまって、

それで「満足して終わり」になっています。

売り上げという「成果」を出さないといけないのです。

子供の勉強・成績に置き換えると勉強しているのに成績が上がらない…

その時は勉強のやり方が良くないのかもしれません。

「骨折り損」になっています。

原因と対策を考えます。

教科書を見ながら穴埋め問題を解くだけだったり、

教科書をノートにまとめるだけで満足してしまっていたり、

長時間の勉強で集中力が欠けていたり、

様々です。

何のためにそれを行うのか?

何の成果が出ればいいのか?

当たり前ですが、これを忘れてはいけないのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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