こんにちは、ヒデです。
神社について簡単にわかりやすくまとめました。
この記事の目次
1.神社の成り立ちについて
奈良県の三輪山です。
神秘的な山に神様がいらっしゃるに違いないと古代の日本人は考えました。
山の頂上などで神様をお祀りしました。
奥宮の起こりです。
ふもとでお祀りしやすいので、祭場を設けるようになります。
これが里宮の起こりです。
一般に私たちが神社と言うのは里宮が多いです。
奥宮は山の上などなかなか行きにくいところにありますが、そこが本来神様が降臨された場所とされます。
古代の祭場が残っているのが宗像大社の高宮祭場です。
このような場所に祭壇を設けました。
今でも地鎮祭で設置される神籬(ひもろぎ)が祭壇です。
神様に祭壇の御幣という和紙で作った道具に寄り付いていただいて、それに対してお祭りを行います。
寄り付いていただく御幣を依り代といいます。
この祭壇で食べ物・酒、祝詞、神楽、舞で神様をもてなすのです。
祭りが終わったら神様に帰っていただき、祭壇も片づけます。
これが古代の神社でした。
次第に常設の建物が建てられ、中に祭壇を置き常にお祀りできるようになりました。
これが社殿です。
神様に来ていただくために、境内は掃除で清めます。
神職や参拝者も、禊で身を清めます。
修祓でお祓いもやります。
2.神社の境内
神社の地図記号が鳥居のマークになっているように、ほとんどの神社の鳥居があります。
鳥居のない神社は、浦和の調神社など数少ないです。
社殿は本殿と拝殿からなります。
本殿はご神体を納める建物ですが、山そのものがご神体である大神神社には本殿がありません。
拝殿は参拝者が入り御祈祷などを行う建物ですが、皇族のみ参拝して一般参拝者が参拝してこなかった伊勢神宮には拝殿はありません。
神職も屋外でお祀りを行います。
これ以外に、手水舎や狛犬などがあります。
神社のことをお宮ともいいますが、母親のお腹の中・子宮も同じ宮という字を使います。
参道は産道でもあります。
神社に参拝することで、本来の自分に立ち返り、リフレッシュしてまた元の世界で活動していくパワーを得るのです。
神道とは言いますが、キリスト教などのように神教とは言いません。
教えではなく、本来の自分に立ち戻る・本来の生き方を思い出しリフレッシュして持っている力を発揮する、これを道というのです。
聖域の入り口を示す鳥居で一礼して参道を歩んでいきます。
本殿の中にご神体がありますが、依り代とも言います。
神様は行き来すると考えます。
参道を神様も通ります。
真ん中のラインを正中線と言いますが、神様が通ります。
そのため正中線は神様のためにあけて置き、人は通りません。
端を通るようにと言われるのはそのためです。
人が通らないよう、手すりにしている神社もあります。
写真撮影も正中線からは取らないようにします。
神様のいらっしゃる聖域であり、本来の自分に立ち戻る場所なので、私語やスマートフォンの使用は控えます。
神様・本来の自分を感じ取れるように静かに歩きます。
玉砂利を敷き詰めている神社もあります。
歩いたときにジャリジャリと音がします。
この音霊で祓い清めるのです。
拝殿の前の賽銭箱の上に鈴があります。
これも祓い清めるための道具です。
それぞれについて詳しく説明します。
3.鳥居
鳥居の由来は説が2つあります。
1つ目は天岩戸神話で時を知らせる鶏が止まっていた止まり木が鳥居の由来であるとの説です。
2つ目は「通り入る」がなまったとの説です。
鳥居の原型とされるのが、奈良県の大神神社です。
二本の柱に注連縄が渡されています。
ご神木や社殿に注連縄が取り付けられているように、ここから聖域であるという目印です。
祓い清めて気枯れを内側に入れない結界でもあります。
鳥居は門であるとの見解があります。
門という漢字には、扉を取り付けて出入りを制限する由来があります。
鳥居には扉がなく脇に塀もないため、出入りを制限できません。
門とは言えません。
忌中などの場合神社に行かないのがしきたりです。
何らかの事情でいかなければならないこともあります。
村・集落・町内の集会・行事が神社内で行われたり、身内に不幸のあった神職が神事を行うなどです。
その時に鳥居の外を通ります。
そのために鳥居の外側はあいています。
鳥居の形式に大きく分けて2パターンあります。
1つ目はシンプルな神明鳥居です。
鳥居の一番上を笠木といいますが、まっすぐな形状です。
伊勢鳥居は角柱
靖国鳥居は円柱
鹿島鳥居は両端が斜めにカットされています。
2つ目は明神鳥居です。
笠木の下に島木があり二段構造で、反り返っています。
以下の写真のように島木の下に輪の台輪があるのが台輪鳥居、
無いものは単に明神鳥居といいます。
山を表す三角をつけた山王鳥居
両脇に小さな鳥居をつけた三輪鳥居
控え柱がある両部鳥居です。
4.狛犬
狛犬の源流は古代オリエント文明にさかのぼるとされます。
魔除けが役割で、参拝者に向けて左右に配置されます。
阿吽の口の形で置かれることが多く、神様から見て左側が阿、右側が吽です。
阿形
吽形
神社によっては狛犬以外のことがあります。
稲荷神社ではお稲荷さんの神使(しんし)は狐です。
天神さん・天満宮では、牛です。
日本武尊は狼。
日吉神社では猿。
調神社は兎。
南浦和の氷川神社はキジ。
5.手水
「ちょうず」とも読みます。
神様の前に行くときに、古来海や川、池に全身を入れて清めました。
これを禊(みそぎ)といいます。
その簡略版が手水です。
全身の代わりに両手を清めます。
言葉・言霊を清めるために口をすすぎます。
手水だけでなく神道全体に言えることですが、左上位といい左を優先します。
手水も左手を先に清めてから、右手を清めます。
修祓というお祓いも、大幣という祓の棒を振るのは、先に左からです。
狛犬は阿吽を表していますが、阿は神様から見て左側、吽は右側です。
6.注連縄
天照大御神が天岩戸から出てきたときに、もう中に入らないよう縄を張ったのが起源とされます。
神域であることを示します。
穢れたものが中に入らないようにする、結界です。
「神が占める」が語源です。
写真は出雲大社の注連縄です。
巨大な縄は雲、紙垂(しで)という紙の垂れ下がりは雷(神鳴り)を意味します。
神の力・神様からのメッセージを表します。
紙垂にも、吉田流・白川流・伊勢流とあります。
7.社殿
ご神体を祀る本殿と、参拝者が祈祷を受けに入る拝殿の2つからなります。
山がご神体だと本殿はなかったり、拝殿がない神社もあります。
建築もさまざまです。
屋根の形が本を開いて伏せたような建築を、切妻造と言います。
屋根の平らな方を平といい、こちら側に入り口があるのを平入りと言います。
屋根の三角の方を妻といい、こちら側に入り口があるのを妻入りと言います。
平入りは、伊勢神宮に代表される神明造があります。
穀物倉庫が起源とされます。
熱田神宮の摂社末社です。
屋根が伸びているのを流造といいます。
妻入りは、入り口にさらに屋根がついている大社造りが代表です。
古代の住居が起源とされます。
シンプルな住吉造
妻の側にも屋根がある春日造があります。
本殿と拝殿が一体となっている、権現造があります。
東照大権現(徳川家康公)を祀る東照宮で使用されてきたので、この名がつけられました。
江戸時代以降の様式です。
写真は上野東照宮ですが、左側の小さいほうが本殿、右側の大きいほうが拝殿、両者をつなぐ手すりのない部分が、石の間・幣殿と呼ばれます。
神社特有の建築部分に、千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)があります。
屋根を固定したり重しにしたりする、古代の建築様式です。
この千木と鰹木のペアによって、その神社に祀られている神様が男神か女神かがわかります。
千木の端が横にカットされていれば内削(うちそぎ)といい、鰹木の数が偶数であれば、女神です。
千木の端が縦にカットされていれば外削(そとそぎ)といい、鰹木の数が奇数であれば、男神です。
ただし祀られている神様が変わることがあるので、絶対ではありません。
8.賽銭
お賽銭は、古くは米を紙に包んでおひねりにしてささげる、または米を撒いた(散米)がもともとです。
米の代わりにお金になったのです。
投げるのは神様に対して失礼になるので、賽銭箱に転がすようにして入れます。
鈴は祓い清めのためにならします。
「さやさやと鳴る」と表現されますが、神霊を招く道具です。
9.参拝作法
二礼二拍手一礼または二拝二拍手一拝といいます。
前後に揖(ゆう)という会釈を入れるとより丁寧になります。
揖は45度上半身を折り曲げる挨拶です。
礼または拝は90度折り曲げます。
二度の礼は天と地の神様へのお辞儀とされます。
柏手または拍手は、右手を一関節分下げるとよい音が出ます。
左上位なので右手を下げます。
二回拍手になったのは明治時代以降と言われます。
集団参拝でタイミングを合わせやすいからというのが理由です。
二拍手ではなく四拍手の神社があります。
出雲大社(島根県)・宇佐神宮(大分県)・弥彦神社(新潟県)です。
中国の歴史書『魏志倭人伝』では弥生時代の日本人たちは目上の人に会うと手をたたいていたそうです。
それが柏手の由来です。
10.祈祷
昇殿参拝や正式参拝ともいわれます。
拝殿に入らずに賽銭箱の前で行う略式の参拝は、個人のお宅に訪問することを例にとると、玄関前で言葉を交わして別れることと言えます。
昇殿参拝は、お宅の中に入って挨拶する・話をすることと言えます。
それだけ違います。
祈祷の順序を説明します。
まず修祓で祓い清めます。
大幣を振ることによってお祓いをします。
このときお祓いをするのは、神社の主祭神ではなく、祓戸大神というお祓い専門の神様です。
神様の世界も専門家による分業なのです。
修祓が済むと、主祭神に捧げものをします。
これを献餞(けんせん)といいます。
米や塩、酒、水、特産品などです。
祝詞により、氏名や願い事を伝えます。
その次にメインイベントも言える、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を参拝者自身が行います。
紙垂(しで)のついた榊を玉串と言いますが、これに祈りを込めて主祭神に捧げることです。
神社に納めるお金のことを初穂料または玉串料といいます。
玉串料というのはここからきています。
初穂というのは、収穫した最初の稲穂をまず神様にお供えしていたことに由来します。
玉串は時計回りに回すのが原則です。
回して正面に来た時に祈りを込めます。
根元を神様に向けるまで回してから、案という机の上に置き、二礼二拍手一礼の参拝をします。
最後に神様の力の入ったお神酒や食べ物をいただくことで、神様と一体になる・神様の力をお神酒を通して身体に取り込みます。
神札などをいただいて終了です。
11.神棚
家庭での神社のようなものです。
棚板を設置して宮型に神札を納めますが、必ずしもそうしなければならないわけではありません。
目線より高い場所、例えば本棚やタンスの上でもいいのです。
東か南向きに向くようにと言われています。
家屋の事情でそうもいかないこともあり、絶対ではありません。
聖と俗の境目を表す榊を供えます。
米・塩・水・酒もお供えします。
酒は米と水から発酵させる、聖なる液体とされます。
毎朝、二礼二拍手一礼を行うのが好ましいです。
以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
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