こんにちは、神社と風水の研究家、ヒデです。
神社と風水って関係あるの?
実は大ありです。
神社やパワースポットを調べると、
「なぜここにあるんだろう?」という疑問がわいてきます。
風水は環境のサイエンスであり、地相占術。
大地の氣を調べて、氣の良い場所に神社や皇居・宮殿や城など本拠地を置きます。
氣をより多く呼び込めるよう、都市構造や道路・水路を整備します。
この記事では、風水とはどんなものか、入門知識をまとめました。
この記事の目次
1.風水って何?
①風水とは
大地のエネルギーを活用するのが風水です。
人は周り(環境)に左右されるもの。
よい環境を探し出してそこに住む・仕事場にする、
あるいは今いる環境をよくすることができれば、
運が開けるのではないか。
この環境の学問で、凶を吉に替える技術が風水です。
単なる占いは、吉凶を知るだけで運勢を変えることはできません。
しかし風水は氣の流れを変えることができます。
漢方医学では、人体に氣が流れていると考えます。
氣の流れを経絡、氣が集まり出る場所をツボと言います。
風水でも、大地に氣が流れていると考えます。
氣の流れを龍脈、気が集まり出る場所を龍穴と言います。
龍穴はパワースポットのことで、神社や皇居・王宮、城も多くここに建っています。
②大地の氣の影響
大地の氣による影響は
●植物の生長がはやい
~明治神宮はもともと原っぱだったのに、植林したら50年弱でうっそうとした森林になった
●病気が治りやすい
~癌が治ると言われている場所・温泉、ルルドの泉の水を飲むと病気が治る、など
●なぜか雰囲気が良くて気持ちよくなる
~伊勢神宮をはじめとして数多く
西洋でも大地の氣の違いは認識されていました。
古代ローマの兵士がヨーロッパ各地を回ったときに
場所によって氣が異なることを発見しました。
それを「ゲニウス・ロキ」と呼びました。
教会も龍穴に建てられていると言われているぐらいで、
氣を重視しているようです。
③平安京と江戸東京
場所によってどう違うか、例をあげます。
平安京は風水で選ばれ作られた都だ、とよく言われます。
ところが…
遷都して数十年で右京はさびれ始めます。
権力争いや暗殺、追い落としが横行します。
怨霊や魑魅魍魎も多数。
三大怨霊も平安時代。
戦乱も多かったです。
平将門・藤原純友の乱や保元・平治の乱。
荘園が多くなり、律令制度も破綻。
皇室から摂関政治へ、院政へ、そして武士へと
政治の主役が移り変わった場所が平安京でもあります。
本当に風水の良い場所なんだろうか?
疑問に思うのです。
これに対して江戸東京はどうでしょうか。
江戸城を中心に反映して100万都市になりました。
政治と文化の中心で日本中の物資が集まって経済も発展。
東京に名前が変わってからも、日本の中心であり続け、
世界の主要都市です。
この江戸東京も風水で選ばれ作られたとされますが、
平安京と何が違うんだろう?
風水を研究し始める動機となりました。
この点は機会を改めて書きます。
④風水は万能ではない
パワーのある順に
命>運>風水
と言われます。
風水は三番手です。
「命」とは、個人でいうと宿命やこの世に生まれてきた使命・役割、
先天的な素質才能です。
たとえば、学問をやるためにこの世に生まれてきたとしたら、
本を読むのが好き・物思いにふけりがち…などの特徴があるでしょう。
人付き合いで学問をやる時間を減らさないように、
人付き合い下手などの性格も備わっているかもしれません。
それなのに営業販売の仕事をしていたら、
いくら頑張っても営業成果を出せない・お客さんと会うのがつらい…
などとなります。
この状態でいくら風水の良い家に住んでいても、
良い成果は期待できません。
「命」を自分にあうように変えるのが先です。
「命」を知るのは、自分の特徴・性格・好きなことを幼少時から調べ、
場合によっては前世などからも推測します。
「運」とは、「運の良し悪し」「運気」という言葉があるように
ダイナミックに動くもの。
積徳積善のように運を積み上げていくものです。
人につらく当たる・物を大事にしない・無駄遣いする・
親兄弟友人を大事にしない・暴飲暴食…
これらは運気を下げる行動として有名です。
このような行動をしていたら、
風水を良くしようと頑張ってもあまりよい結果を望めません。
このように風水よりも重視すべきことがあるので、
そちらこそ大事にして、そのうえで風水にも配慮してください。
2.風水の歴史
①風水の起源
最初の風水師は紀元前2300年、中国大陸の青烏子(せいうし)と言われます。
『青烏経』という書物を書き、
「上は天文を極め、下は地理を察する」という言葉を残しています。
ここで注目したいのは、天地と対象範囲がとても広かったことです。
天変地異が人間社会に大きな影響を与えるので、
それをあらかじめ予測します。
それを担っていたのが中国大陸では官僚の風水師、
日本でいうと陰陽師、朝廷の官僚です。
天文博士や陰陽博士という名称がそれで、
安倍晴明がとくに有名です。
●天文とは?
太陽の黒点による異常気象、月による潮の干満や月経、
満月の時は犯罪が多い傾向・地震の誘発、
惑星直列による巨大地震、
日照り・大雨・暴風・雷などの気象…
これらの予測と被害の軽減をにないます。
●地理とは?
地盤の強度、湿気による病気の蔓延、
地形による風や水の流れによる浸水被害、風の被害、
風通しの良しあし、強風や強雨の被害のない場所か…
このような場所を都や国府の場所に選びます。
昔は天文地理、奇門遁甲などと呼ばれていました。
風水という言葉が出てくるのは、紀元後12世紀ころです。
龍穴に氣が集まっているのに、風で氣が飛ばされないようにする(蔵風)。
氣は水になじみやすいので、水で気をとどめる(得水)。
この蔵風得水を略して風水と言います。
昔の名称も取り混ぜて、地理風水・風水地理などともいいます。
このことより、昔から言われる風水の良い場所が、こうなります。
山の頂上だと風が強いです。
山のふもとだと水害の恐れがあるので、高いところにします。
山の中腹ややや高いところにあれば、
背後からの風を山が遮ってくれます。
小高い頂上であっても樹木で風を遮れば、構いません。
また水を得られるかも重要です。
飲料水は深く井戸を掘らなくてもよい場所がよいです。
農業用水もそばに川や湧水があればよいです。
このような場所が、下の画像のような場所になります。
個人宅はこれでいいのですが、
都をおくような場合は、より広くより適した場所を探します。
②風水のその後
もともとは王朝・朝廷が繁栄する場所はどこか、
都をどこに置けばよいか、を調べるのがメインでした。
ところが、中国では王朝が変わったり、
日本でも朝廷が衰えて武士の時代になったりと、
風水師や陰陽師がつかえていた権力者が没落して、
食べていけなくなりました。
そこで個人向けにも地相・場所による
繁栄のコンサルティングをするようになります。
具体的には邸宅・家の場所や建て方、間取りなどで
開運をアドバイスするようになります。
これを家相と言います。
本屋に売っている風水の本は家相です。
家の向き・方角、間取り、台所やトイレの場所、植物を置く、…
など家の中のことが多いです。
個人宅の風水を鑑定する場合、
家のある場所の氣が7割、間取りなどが3割と言われます。
前者は、
地盤の強度、低い土地か否か(浸水や湿気)、川または道路の形状、
周りの建物との関係、など。
後者は、
リビングなどの方位、玄関やトイレなどの位置関係、など。
③風水は迷信ではない
風水は迷信と言われることがあります。
確かに「これってどうなんだろう?」と思うこともあります。
しかし納得できる部分も多々あります。
たとえば
●周りより低い土地は凶
⇒大雨の時、水が流れ込んで浸水する
昔沼地だった可能性があり、地盤が弱くて家が傾くことも
●南側に台所やトイレがあるのは凶
⇒南側だと太陽光で温まり食べ物が傷みやすい
トイレもかつては汲み取りだったので、
温まることで汚物が腐敗し不衛生になる
●川または道路が家に向かって来て方向を変える
(カーブの外側に家がある)のはよくない
⇒カーブの外側の家には、川だと水があふれやすいし、
道路だと車が飛び出しやすい
●玄関から勝手口・奥の部屋まで一直線は凶
⇒家の中が丸見えで泥棒に入りやすい
昔は暖簾や衝立などで一直線を回避
●寝室で寝ている頭上に梁が横切っているのはよくない
⇒地震などで梁が落下して頭部を直撃すると危険
蛍光灯・電球が頭上にあるのも同じく良くないとされる
3.いろいろな風水
①陰宅風水
陰宅風水とは墓地(ご先祖の住まい)です。
先祖崇拝の風習の強い地域の人々は、
個人の幸不幸はご先祖さんから保護のパワーに左右されると考えます。
ご先祖さんの墓をないがしろにしたり、墓参りをしないと、
住まいの風水を良くしても不幸になるというのです。
ご先祖さんの立派な墓を建てて、
子孫である我々の運気を上げようとします。
中国大陸や朝鮮半島、台湾、沖縄が陰宅重視とされます。
日本でも江戸幕府改組の徳川家康は江戸の北の聖地(パワースポット)、
日光東照宮に葬られて江戸の守り神となっています。
徳川将軍家に強いパワーを北から流し込んでくれるという
発想からです。
他の大名の墓がまとめられて高野山にあるのは、
大名が日光のような聖地に葬られることで
その大名家の風水パワーを強化しないようにとの徳川幕府の思惑です。
②陽宅風水
陽宅風水とは生きている我々の根拠地を改良して、
運気を上げようとの考え方です。
日本や香港が陽宅中心です。
このように風水は国や地方によって若干異なるのです。
●ラージスケール
山や川や平地を見て、土地の吉凶を占います。
首都選定や都市づくりに使われるので、国家や権力者、大名などが用います。
陰陽師など国家・朝廷お抱えの風水師が行います。
●スモールスケール
個人用の風水で、住まいの方角や間取り、生年月日や干支で占います。
個人の幸福やビジネス運アップなどをにない、
狭い土地に人・住居がひしめき合う香港が本場として有名です。
ちまたで風水というと、これです。
③風水の流派
以下の各考えを取り混ぜて風水師たちは判断をしています。
●形態(巒頭~らんとう)派
占星術は天空の星を見て占います。
その地上版で、山を星とみて地形から判断。
山は大地の氣が盛り上がっている、ととらえるのです。
山と山に代わる建物、このような形状から運気を判断するのです。
山地や起伏の多い土地に住んでいた人たちが作り出した風水です。
●羅盤(理氣)派
方位を見て判断します。
比較的平地の多い地方に住んでいた人たちが作り出した風水です。
このほかにも民間の伝承や経験則、観察眼により、
風水に判断・技術が付加されています。
以上が風水の入門・基本知識でした。
風水というと
「西側に黄色いものを置くと、金運アップ」
など、これって本当かな?と疑われることが多いです。
本来の風水はそうではないということを、書きました。
これからも随時記事をアップしていきます。