日本語は特殊です。
あいうえおは表音文字と言われますが、それぞれに意味があります。
一音一義といいます。
それについて、以下説明します。
この記事の目次
あ
天(あま・あめ)など天を意味します。
宇宙(天)から始まっていることから、始まりを意味し、「開く」「会う」。
天につながる人体の部分と始まりから、「頭」
「空いて」いるからインスピレーションが入ってきます。
自分を意味する「あれ」(吾)
天を仰いで感嘆・驚きの「ああ」と発します。
い
「生きる」「命」「息」「今」「胃」など、生命力の源となる言霊です。
「祈」「癒し」「祝い」など外に向けての力強いパワーをもちます。
う
生命を生み出す「生む」「産む」や生命の母なる「海」です。
返事の「うむ」のように受ける、飲み込むです。
「阿吽(あうん)」の発する「あ」に対して受ける「うん」。
考えを生み出そうとするときの「うーん」
アスリートなど力を出すときの「ううう」など。
え
愛媛の「え」愛、つながりやお世話になる意味の「縁(えん)」、「笑(えみ)」。
めぐみ、「得る」、新しい分野を切り開意味があります。
優しく柔らかい、おっとりしている印象があり、
肯定の返事「はい」より「ええ」の方が柔らかい印象です。
聞き返す「え?」もやわらかめです。
お
「思い」「重い」「多い」「折る」「織る」のように詰め込んでいる圧迫する意味。
「居る」という存在性。
「~しておる」という地に足をつけた実行性
おおらか、男の「~男、~雄、~夫」
神社の神事で神に降臨いただくための「おー」という警蹕(けいひつ)。
か
「固い」「硬い」「堅い」「カチカチ」「カンカン」などの形状に由来する強さ・信念。
「重ねる」「嚙む」のように圧縮や押し込むなど。
「カーっ」とした太陽・火のように、すぐに行動に移す、外に対する力強いパワー。
「輝く」にもなります。
「香る」のように他人にさわやかな印象を与えます。
き
「氣」「生」など、飾らない本心本性など「基礎」礎を表します。
「木」のようにぐんぐん伸びていく成長も表します。
「軋む(きしむ)」「切れる」のように問題が生じることもあるので「気を付ける」。
く
口を表し、言葉を出し、食べ物入れる「食う」。
「来る」「繰る」のように引き寄せ具現化する力、アウトプットする力、機転を利かせる力。
「組む」「汲む」「酌む」のように構成する・ため込む力でもあります。
け
食の意味があります。食の神様オオゲツヒメ神や方言で食べることを「ケ」といいます。
「氣」の意味もあります。
目に見えないもの「気配」「警戒」「もののけ」「色気」「景色」など情報・流行です。
「気色ばむ」「蹴る」「けたたましい」のように強い面もあります。
こ
「細」「粉」「子」など細かく小さい状態を意味します。
そのため「コロコロ」「転がる」になります。
小さくするよう「込める」「こらえる」「凝る」との意味を持ち、
力を蓄えて望む方向へ進む強さから「越す」「超す」「濾す(ろ過する)」。
さ
「坂」「境」「崎」など、神と人間の領域の境界を意味し、そこから「差」が出てきます。
「さ神」は山の神であり、「捧げる」「悟る」「幸い」など神と関わる意味になります。
「さっと行動する」のようにフットワークの軽さ、「さっさと仕上げる」行動力も。
「裂く」「冷める」のように興味を失うのが早く、目移りも激しい意味も。
し
「士」「志」「師」など、「信念」「真摯」に理念実現と問題解決の意味があります。
「シー!」など「静める」「鎮める」「沈める」。
まっさらで神聖な「白」や心の強さの「芯」。
注連縄のように神の領域を「占める」「閉める」
閉められた「間(ま)」ということで、島・縞・シマなど。
す
歯の間のすり抜ける空気音がもとで、「スー」と風が通り抜ける、爽快感、障害の無さ。
人の心が風のようにとどまることなく動くさまを「好き」
気負わずに自分の「素(す)」を出していける「姿(すがた)」
風が通り抜けるように留まらずに「滑る」。
せ
「背」を表し、男性の能力、どれだけ「背負えるか」「子供は父親の背中を見て育つ」など。
川や海で船が流されないように乗り上げる場所が「瀬」であり、
重要な選択をする崖っぷちを「瀬戸際」。
みんなが一緒の行動をするとき、例えば集団で縄跳びのジャンプをするときの掛け声は
「せーの!」一緒に乗っかるための掛け声でしょう。
そ
変化の意味を持ちます。
「空」は、入道雲・夕立の夏空、雲がはるか遠く天高くと言われる秋空など変化します。
「その人」「そこ」「その時」など対象をころころ変えて表現できます。
「そーれ」でこれからやるよ、という合図の掛け声です。
た
「たくさん」の意味で、稲がたくさんなので「田んぼ」も示しています。
農作業や機織りや食事や子供の世話など、たくさんの活動をする「手」も意味します。
「たま」には魂・霊の意味がありますが、「たくさん」「まこと」でしょうか。
「玉」は美しく貴重なものです。
ち
「地」「血」「乳」「父」など人間が生きていく上で欠かせないものを意味します。
霊(ち)を表し、パワーの「力」でもあります。
細かい形状の意味があるとして、「稚児(ちご)」細かさを確認できる「近い」も。
「太刀(たち)」「断ち切る」のように相手を一刀両断する潔さもあります。
つ
「連なる」「続く」ことから、つゆ(露・汁・液)・水(みづ)・体液(つばき)です。
船が「着く」「つなぐ(係留する)」「(人物と)つながる」ことで船着場を「津」と。
(日本全国に、津・大津・沼津・焼津・木更津・直江津・宮津・坊津など多数)
「爪」「摘む」「つまむ」「あつめる」など指先に絡む表現もありますが、
対象物と連なる流れでしょうか。
て
「手」を意味します。
手のひらに当たる太陽の光が「照る」「照らす」です。
父の古い言い方が「てて」ですが、お父さんの手が大きかったからでしょうか。
「お」をつけて「おとうさん」「おっとう」になったと言われております。
と
家の内外を区切る「戸」や「隣」「所」など境界を意味します。
「〇〇の時」のように、流れゆく時間の流れを区切ります。
「AとB」のようにつなぎ合わせて新しい関係性を作ります。
「AとB」「CもDも」の両者から、「とも」になり、
「友」「朋」「共」「供」はいずれも「一緒に」の意味です。
な
あるなし等の虚無感を含む「な」行音ですが、
「無い」だけではなく、無い状態から「成す」のように物事を実現する意味もあります。
「亡くなって」から「名」を残すよう、人を数える単位として1名2名3名…
となったという説もあります。
魚は、食べ終わると尾びれが残るので、1尾2尾3尾。
動物は、食肉で頭部だけ残るので、1頭2頭3頭。
鳥は、羽をむしり残るので、1羽2羽3羽。
に
「~に…する」などと、対象(目的語)にかかわる意味です。
「煮る」は、やわらかく原形をとどめなくなるまで手を加えることです。
「似ている」は、その人に近い(似ている)状態です。
「庭」は、和む(なごむ)・和する(仲良くする・団らんする)和(わ)の空間「に」。
神社の鳥居に使われる朱色は「丹(に)色」と言います。
華やかさと魔除けを意味しますが、鳥居の色は青・緑・黄色はほとんどありません。
ぬ
物が固まっていない、柔らかい状態を意味します。
「布」「絹」「塗る」「塗りたて」「ぬめり」。
柔らかいため「抜く」ことができます。
ね
目には見えないが重要な働きを意味します。
「音」「根」や、根の国(死者の世界)、
夜は布団で「寝」て眠っている間に疲労回復や夢(死の擬似活動とも言われます)。
「根回し」のように表立たずにあまり見えない裏で手を回すこと(同調)にも使います。
「根付かせる」も。
語尾に「ね」をつければ、表立たないものの柔らかい印象を与えられます。
の
「AのB]というふうに、何かをつなげる意味です。
「乗る」「載る」「宣る(のる」「祝詞」「糊」。
「海苔」も海藻(のり)同士が絡み合ってくっついている状態でしょうか。
相手を思いやる気持ちを持てば「祈り」になり、
ネガティブな気持ちなら「呪い」になります。
は
氣力を吐き出す意味です。
「吐く」「掃く」(掃除でゴミほこりをはきだす)「履く」(足を靴やパンツに入れる)
「発する」「張る」「春」(木のつぼみが張る季節だから)「花」
「貼る」(神札などを手元から壁などへ移す)
「歯」「葉」「羽」は生命力により出っ張っている状態です。
先端に来るため「端」です。
ひ
生命の源である太陽・日を表します。
太陽の明かりを光(ひかり)と言います。
太陽の神 天照大神から霊の意味もあります。
霊が止まっている・留まっているから「人(ひと)」です。
赤々と輝くから「火」。
ふ
リラックスしたときに自然と息が漏れる音で「吹く」です。
ゆする意味から「振る」ことで、神や魂を呼び寄せる魂振りがあります。
神に祈ることは「福」です。
大自然の神から綿・麻・絹の恵みをいただいて、身体を守る・包む「服」。
風が吹くと揺れるから「服」になったのかもしれません。
幸福には、幸(精神的なもの)と福(物質的なもの)があり、
後者が二次的(副次的)なものとされるので「副」。
へ
海の波が次から次へと打ち寄せてくる連なりを形容し、
「~へ行く」など、進む、「変化」する意味です。
「減る」「経る」「屁」「辺(そのあたりへ)」。
ほ
内側から膨らんでエネルギーをため込む状態です。
「頬」「炎」「穂」「帆(風を集めて膨らんでいる)」「保(たもつ)」など。
「ぽっ」は膨らんだり火が付いたり赤くなる状態を表します。
ま
「真」「満」「眼」を表し、真実(まこと)を見極める聡明さを意味します。
「間」でもあり、物を入れるには空間・隙間がなければならないし、
話やタイミング、相手との距離にも必要で、「間を取る」「間合い」「間抜け」など。
み
「水」「海」を意味します。
「中身」「身がある内容」でもあります。
神と人を取り持つ意味があり「命(みこと)」「詔(みことのり)」「御神楽(みかぐら)」
「巫女(みこ)」「御言葉(みことば)」「御田(みた→三田)」
水や神の美しさ・スピリチュアルな意味合いがあるため、「美」を「み」と読みます。
む
活動・躍動の意味があります。
「むす」には産むの意味があるため(「む」を「する」)、
産んだ子供のことを、むすこ(男)・むすめ(女)と言います。
縁を「結ぶ」や人のつながりを「群れ」「村」、男女の「睦(むつみ)」など。
め
女・雌・妻などと、女性を表します。
「芽」は成長する様子、「目」は見た目・見る目を養うなどと使います。
も
盛り上がったり、膨らんでいる状態を意味します。
「燃える」「萌える(植物が芽吹くこと)」
「森」(木が生い茂って盛り上がっているように見える)」
「桃」(生命力があり膨らんでいる、悪鬼を退治する霊力があるとされ桃太郎になる)
「AもBも」(AだけでなくBも、どんどん増えていく)。
や
大切な意味合いがあります。
獲物を捕らえるための「矢」、雨風をしのげる家の「屋」
あらゆるものに宿る八百万の神の「や」、「約束」など。
ゆ
神聖・清らかを表す「斎」です。
「湯」も火と水のパワーが宿り、体を癒す働き湯治があります。
東京の湯島も温泉が出るからということではなく、「神聖な場所」という意味です。
「ゆらぎ」「ゆらゆら」揺れることが神聖さです。
お祓いも鈴も祝詞も、みな揺らすのです。
よ
「寄り添う」「寄る」「寄せる」意味があります。
家族が寄り添って休む「夜」であり、
落ち着きのある安定した人生「世」です。
ら
日本語には古くから「ら」行音は少なく、海外から輸入された音のようです。
海外で活躍できる魂を持つ音と言われます。
「ら」は「食べられる」という可能、「いらっしゃる」という敬語など
他の言葉を引き立てたり、他人にかかわります。
「彼ら」などと群れ・集団の意味も持ちます。
り
中身が詰まってふくらみのある状態を意味します。
「瓜」「栗」
「まわり」のように周囲に注意を向け、
回転による活動です。(荷車・糸車・水車・脱穀など)
「流(りゅう)」など勢いを感じさせる意味もあります。
る
物事が進む状態を表します。
「ある」「いる」のように現在の状態を表しつつ、
「~する」のようにその時点から未来へ動く活動的響きです。
れ
物を指し示す意味「これ」「それ」「あれ」や、
他の言葉・人の表現を変える、例えば
「~される」:礼儀正しさ、受け身
「~られる」:可能性
さらに恋や連(つらなる)の意味がこもっています。
ろ
囲まれた空間を意味します。
火や水を満たす容器である、炉や呂。
空っぽな状態は「空ろ・虚ろ(うつろ)」といいます。
「~やろう」「がんばろう」囲い込み・何かを実行・創造する意味があります。
わ
「和」「輪」、争いを好まない調和や交流の意味です。
を
「~を…する」などのように、文節をつなげる役割があり、前の言霊の意味を増大します。
ん
その前の言霊の意味を増大させます。
「うん」は、「う」生み出すを「ん」で口を閉じる・飲み込むことで、
強い受け入れの意味になります。
運命の「運」も同様です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。