こんにちは、古神道と東洋思想、兵学の研究家ヒデです。
「朝方の気力は鋭く、昼ごろの気力は衰え、夕方の気力は尽きてしまう…
戦争の上手な人は、その鋭い気力を避けて、衰えて休息を求めている所を攻める。
味方がよく収まり整った状態で、相手が混乱するまで待って、戦う。
良く休んで相手を待ちかまえ、遠路やってきて疲れている相手と戦う。
…
相手が整然としていて堂々と充実していれば、戦いを仕掛けない。
相手の変化を待つのである。」(第七 軍争篇)
気力も体力も波があります。
勝ち易くなるには、
相手の波の頂上(気力・体力が充実しているとき)に戦うのを避けます。
損害が大きくなり、むやみに戦力喪失してしまうからです。
相手が下り坂・谷間にいるときに戦うことで、勝ち易くなるのです。
ただし、味方にも波があります。
攻撃するときに味方が弱っていては(波の谷間のとき)勝つことはできません。
理想は、味方が頂上(充実している)のときで、
相手が谷間(もっとも衰えている)のときに、勝ち易くなります。
しかし自然にこういう状態になることはありません。
そこで、主導権を得るべく、策を用いるのです。
ただ相手も、主導権を得て味方(こちら側)をコントロールしようとして来ます。
両者の心理戦・情報戦・外交戦になってきます。
こう着状態になることが多いですが、
むやみに戦力を喪失することを避けることができます。
兵士たちや国民、君主からの「なぜまだ戦わないんだろう?」という疑問のまなざし、
「臆病者め!」という非難に耐えて、時を待つ忍耐力が必要になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。