こんにちは、古神道と東洋思想、兵学の研究家ヒデです。
杉之尾宜生編著『戦略論体系 ①孫子』(芙蓉書房出版)の、
武田信玄が旗印に掲げたことで有名な、風林火山についての和訳を引用します。
「戦闘機動においては、風の如く敏速であれ。
ゆっくり正々と前進するときは、森林の動くが如く堂々とあれ。
襲撃侵入・掠奪するときは、火の如くあれ。
軍をとどめたときは、山嶽の揺るがぬが如くであれ。
企図の秘匿にあたっては、曇天の雲の如く不可解であれ。
攻撃を発動したならば、稲妻の如くあれ。」(第七 軍争篇)
以下は、私の解釈です。
こちらの意図・手の内を、まったく読まれないような振る舞いをします。
むやみに行動しないことで、相手に読まれないようにし、
かつ、何を考えているのかと思わせます。
相手が対策を立てられないようにすれば、こちらが主導権を握りやすくなります。
堂々とした行進で自信があることを見せつけます。
それでいて行動するときは、今までとは全く違う素早い動きをし、相手を驚かせます。
勝負に出るときは、激しく攻めます。
成果を奪い取るときは、火が全てをなめ尽くすように、容赦せず、相手に恐怖感を与えます。
このような行動を伴った心理戦により、戦闘による犠牲を少なくし、
力を温存しつつ、以後の交渉を有利に進めることができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。