こんにちは、古神道と東洋思想、兵学の研究家ヒデです。
「機が熟した時に」行動するという考えは、当然ですが兵法にもあります。
「戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。
衆寡の用を識る者は勝つ。
上下の欲を同じうする者は勝つ。
虞を以て不虞を待つ者は勝つ。
将の能にして君の御せざる者は勝つ。
故に曰く、
彼を知りて己を知れば百戦殆うからず。
彼を知らずして己を知れば一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず殆うい。」(第三 謀攻編)
第一に戦ってよい時と戦ってはいけない時をわきまえていれば勝つ。
第二に大勢と小勢のそれぞれの用い方を知っておれば勝つ。
第三に上下の人々が心を合わせていれば勝つ。
第四によく準備を整えて油断している者に当たれば勝つ。
第五に将軍が有能で主君が干渉しなければ勝つ。
だから、
敵情を知って味方の事情も知っていれば百回戦っても危険がない。
敵情を知らなくても味方の事情を知っていれば勝ったり負けたりする。
敵情を知らず味方の事情も知らないと戦うたびに危険である。
相手の気力が盛んだったり、天候や地形などの環境が不利だったり、
金銭的物資的事情がよくなかったりすれば、相手より劣るので、
勝てる可能性が低くなります。
少数だったり実力差があるなどで、相手にかなわないなら、
逃げて力を温存することが必要です。
大勢だと統率や士気を維持するのに大変で、金銭物資での消耗も激しいです。
大勢であることで油断もしがちで、自分がやらなければという意識も希薄です。
そのように大勢の相手が弱体化するまで待ち、最終的な勝利を狙います。
味方が目的を同じくし、互いにいあえるのであれば、勝つことができます。
相手のこれらが乱れていれば、あるいは乱すことができれば、勝つことができます。
味方の準備はできる限りします。
相手の準備はこちらより劣るようにして戦えば勝つことができます。
たとえば相手の準備が整う前に戦うとか、
当初の計画を台無しにしてしまうように戦うとかです。
専門家や現場がよく分かっている者に対し、
そうではないトップが口を出してはなりません。
詳しいものにまかせるべきです。
たとえトップがかつて現場にいたことがある場合でも、
手法・状況が変わっているのですから、今の現場の者にまかせるべきです。
現場の人々もどちらの言うことをきいてよいかわからなくなります。
このように、味方と相手の事情を知り比較し、
味方が優位に立つようにしてから戦うことが、勝ちにつながります。
相手のことを十分知ることができなかったとしても、味方の事情を知るように努めます。
味方の強み・自信のある分野を知れば、この分野に相手を引き込んで優位に立ち、
勝てる、あるいは、負けないようにできるのです。
味方の弱み・自信のない分野を知れば、
この弱みの分野で戦おうとしないから、大きく負けることはないのです。
もし相手の事情も味方の事情も知らないのであれば、
優位に立って戦うことができないのですから、負ける可能性が高くなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。